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投稿日 : 
2019/08/20
更新日 : 
2019/08/20

【AWS】SESの制限緩和(サンドボックス解除)申請の方法について

SESがついに東京リージョンでも使用できるようになったようです!(2020/07/02追記)


SESとは、AWSが提供するメールサーバのサービスです。
SESを使用することで、簡単にメール送信の仕組みを作ることができます。

ただし、SESは初期状態ではサンドボックス内に配置されています。
この状態だと、事前に承認されたメールアドレスに対してしか送信をすることができません。
なので、ダイレクトメールなど不特定多数に送るような用途には使用できないのです。
また、1日に200件までしか送れない、1秒間に1通までしか送れない、といった制限もあります。

これらの制限を撤廃したい場合は、SESをサンドボックス外に移すための制限緩和申請を行う必要があります。
今回は、この緩和申請してサンドボックス状態を解除する方法について説明していきます。

SESの制限状態の確認

制限緩和をする前に、そもそも現在のSESが制限状態にあるのかどうかを確認します。
制限状態はAWSコンソールマネジメントから確認できます。

まずはSESのサービス画面を開きます。
東京リージョンから開くと以下のような画面になります。 東京リージョンにはSESが無いので、他のSESが存在するリージョンを選択する必要があるのです。
使用したいリージョンを選択しましょう。
2019年8月現在では、バージニア、アイルランド、オレゴンの3リージョンが選択可能です。

SESを開けたら、左メニューの「Sending Statistics」を開きます。

サンドボックス内にある場合は、以下のように制限状態を示すラベルが表示されます。
このラベルがある場合は、そのSESは制限状態にあるということになります。

ユーザーによるサーバなどの設定は不要

ちなみに、SESはEC2のようにユーザーがサーバを構築する必要はありません。
すでにサーバ自体は存在しており、それをただ使うだけといったマネージドサービス形式になっています。
なので、我々は単純にどのリージョンでSESを使いたいかだけを考えればよいのです。

制限緩和の手順

では、実際に緩和申請の手順を見ていきましょう。
制限の緩和は、AWSマネジメントコンソールのサポートセンターから行うことができます。

基本は入力項目に従って記載をしていけば問題ないです。

少し手間取るのがユースケースの記述でしょう。
AWSがあなたのユースケースの妥当性を判断するために以下の観点も記述するとよいとのことです。

・メーリングリストをどのように構築または取得する予定ですか?
・バウンスや苦情をどのように処理する予定ですか?
・受信者はあなたからのメールの受信をどのようにオプトアウトできますか?(どうやって受信を拒否できるか)
・このリクエストで指定した送信レートまたは送信クォータをどのように選択しましたか?

以上で申請は完了です。
初回返信は24時間以内に来るようです。(私の場合も次の日にはきていました。)

制限緩和後は、自由なアドレスにtoメールを送ることができます。
ただし、fromメールはSES側で承認したものしか使えないので注意しましょう。
不正なfromメールを指定すると以下のようなエラーが発生します。

制限緩和の強制取り消し、SESの強制使用停止

緩和申請が通っても、以下の条項に抵触する場合はSESの使用を停止されてしまう可能性がありますので注意してください。

・SES EmailまたはSES Emailに含まれるサービス利用者コンテンツのアマゾンによるスキャンによって、電子メールが悪用されていること、または質の悪い電子メールであること(「スパム」など)が判明した場合。
・SES Emailがアマゾンにバウンスバックされる場合、またはサービス利用者のSES Emailに関して悪用である旨の苦情(第三者からの苦情を含む)をアマゾンが受けた場合。
・「アドレスバウンス」または苦情の宛先としてサービス利用者がアマゾンに提供したソースまたはリターンパスの電子メールアドレスが、正常に電子メールを受領しない場合。
・サービス利用者によるSES Emailの利用が、AWS適正利用規約および本契約を遵守していない場合。
・サービス利用者のSES Emailまたはサービス利用者コンテンツに、アマゾンがサポートしていないフォーマットの添付ファイルが含まれている場合。
特にサンドボックス外でSESを使用するならバウンスの監視は必須です。
以下の記事でバウンスの監視方法を紹介していますので参照ください。

Profile

管理人プロフィール

都内でITエンジニアをやってます。
変遷:中規模SES→独立系SIer→Webサービス内製開発
使用技術はその時々でバラバラですが、C#、AWSが長いです。
どちらかと言うとバックエンドより開発が多かったです。
顧客との折衝や要件定義、マネジメント(10名弱程度)の経験あり。
最近はJava+SpringBootがメイン。

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